ノルディックスキー・ジャンプ女子で2大会連続の五輪代表が確実な伊藤有希(23=土屋ホーム)の強さの秘密は故郷の北海道・下川町にある。町内には照明設備のある4基のジャンプ台、先輩たちから受け継ぐ伝統など国内有数の環境が整う。冬季五輪で市町村別では最多の6個のメダルを獲得した「虎の穴」からメダル取りへ挑む。レジェンドらが下川町について次のように語った。

 ◆葛西紀明(土屋ホーム) 遊ぶところもなくジャンプに没頭できる。町も選手を盛り上げてくれるのが良いところ。子どもたちは、僕らが五輪でメダルを取れば目標をもってくれる。手本になれるようなジャンパーでありたいと思っている。

 ◆岡部孝信氏(現雪印メグミルク・コーチ) 昔は元旦ジャンプは誰が先に飛ぶか競っていた。ジャンプ台が整っているので、いつでも飛べるし、自然と飛ぶ本数も多くなる。何もないから夏も走るしかないからね。

 ◆伊東大貴(雪印メグミルク) 町のバックアップだとか、そういった力を感じる町。先輩の姿を見てこうなりたいとか、こうなれると思えた。自分の子どもが、ジャンプしたいと言ったら下川でやらせたい。