トロロッソ・ホンダ勢はパワーユニット交換によるペナルティーで最後尾スタートを義務づけられたが、ブレンドン・ハートリーが11位でフィニッシュし、上位の2台が失格となったため繰り上がりで9位入賞を果たすこととなった。

「やれるだけのことはやったし、悪くないレースだったと思う。今日の僕らにはルノーやフォースインディア、ハースと戦うペースがなかったけど、最後尾からスタートして11位まで挽回できたのは良くやれたと思うよ。僕自身としてはあれ以上にやれることはなかったと思うよ」(ハートリー)

ピエール・ガスリーは1周目に前で接触したマシンから飛んだ巨大な破片がマシンの下に入り込み、ダメージを負って大きくダウンフォースを失うこととなった。そのためマシンが不安定でタイヤの保ちも悪く、2ストップ作戦を採ったものの成功しなかった。

「厳しいレースになるのは分かっていたけど、1周目からカオスな状態でカーボンパーツがあちこち飛び散っていて、そこを通過する時にマシンにダメージを負ってしまったんだ。そのせいでレース全体を通して、かなりグリップを失ってしまったし、ただでさえ難しいレースがさらに厳しくなってしまったんだ。ダメージのせいでタイヤも保たないから2ストップ作戦じゃないと厳しそうだと思って2ストップ作戦にしたけど、それもうまく機能しなかったし、全てが厳しいレースだったね」(ガスリー)

繰り上がりで2点を得たものの、予選Q1で7番手に着けた速さからすると物足りない決勝の結果となった。コース上での追い抜きが難しく、遅いマシンに抑え込まれて本来の速さがなかなか発揮できなかったことや、タイヤを保たせるためにペースを抑える必要があったことが影響した。

それらも含めてこれが今のチームの実力だとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは総括した。

「もうちょっといけるかなというのはありました。Q1だけとはいえ予選であれだけ走れてドライバーも『クルマはかなり良くなった』と言っていましたから。それがタイヤマネジメント、レース戦略を含めたレースペースに思いのほか反映できなかったというところはあります。あまりタイヤを酷使しないようにというのもありましたけど、そこまでしか走れなかったということですね…。それも含めて実力です」(米家峰起通信員)