【ブダペスト=三須一紀】男子シングルスで世界ランク8位の丹羽孝希(24=スヴェンソン)が準々決勝で同9位梁靖崑(中国)に3-4で敗れ、40年ぶりのメダルにあと1歩届かなかった。
フルゲームに持ち込んだ丹羽に突如、極度の重圧がふっと降りてきた。「40年ぶりのメダルを意識した。ものすごくプレッシャーがかかった」。体が硬くなり、最終ゲームで0-5とされ、流れを逃した。「無心でプレーすれば良かった」と、無念そうに言った。
ゲームカウント1-3から追い上げた。サービスエースを連発。技巧派のカットを見せて観客から「コーキ、コーキ!」の大合唱。会場を味方に付け、強豪中国を追い込んだ。
孤高の天才はひょうひょうとトリッキーな技をやってのけた。序盤はラバー赤面をフォア側に使い、第2ゲームで0-6とされた場面で、フォア側を黒面に反転させてプレー。その黒面で巧妙なカットをかけて、得点を奪った。第3ゲームでは再びフォア側を赤面にして、相手に回転を読ませず、翻弄(ほんろう)。宮崎強化本部長は「こんな選手はほとんどいない」と言った。
丹羽は「会場の湿気を考えてそうしてる」と説明した。今回の会場は冷房が効いておらず、湿気が充満。ラバーが湿り、柔らかい黒側だとボールの勢いが減り、硬めの赤側ではその逆と、使い分けた。
79年の小野誠治さん(62)以来のメダルは夢に終わった。張本、水谷の陰に隠れがちだが「普段は陰で良いけど、今日は主役で楽しかった」と笑った。丹羽は「常にメダルを取り続けてる中国は最終ゲーム、ミスが少なかった」と中国のすごさを肌で感じた。だが、最後まで苦しめた。来年の東京オリンピック(五輪)に向け「今回のように中国選手に接戦していけば、五輪でのメダルチャンスはある」と手応えを感じた。


