27日の第1戦を102-73と快勝した千葉ジェッツが富山グラウジーズを96-85で下し、2連勝で準決勝進出を決めた。

前半は負けたら終わりの富山の勢いに攻めあぐねた。第1クオーター(Q)から強く当たってくるディフェンスに対し、シュートチャンスをなかなか作ることができず、得点が伸びなかった。それでも残り5分で投入されたSG田口が2本の3Pを決め突き放した。20-15となり、最後はPG富樫が「1番のプレー。5点差と8点差では全然違う」と振り返った3Pを決め、23-15で主導権を握った。

後半に入っても富山の圧力に押され詰め寄られるシーンがあったが、勝負どころで、この試合10アシストを挙げた富樫のトリッキーなパスがさえた。終わってみれば96得点と自慢の攻撃力で粘る富山をねじ伏せた。

快勝の裏には不安要素もあった。大野HCが「後半フラストレーションのたまる選手がいた」と言うようにシュートが決まらないなどイライラした選手が反則を連発。ディフェンスが機能しなくなるシーンが目立った。富樫は司令塔として「自分がPGとして周りの選手を見てボールを預ける意識を持たなければ」と責任を感じた。田口も「自分が積極的に声をかけて一丸とならないと」と反省を述べた。

HC・選手がリズムが悪くなった後半のことを口にするのは、準決勝で東地区2位栃木との大事な一戦が控えるからだ。リーグ戦ではともに8割を超える勝率で優勝を争い、対戦成績は3勝3敗の五分。それでもホームで戦える分、アドバンテージがあるという富樫は「この権利を得るために(リーグ)60試合戦ってきた。移動、食事、たくさんのブースターを含めてホームが有利。準決勝で当たるのは分かっていた。勝たなきゃいけない」と力強く語った。昨年準Vの悔しさを晴らすべく1年間戦ってきた千葉が、日本一のブースターで埋め尽くされた船橋アリーナでライバル栃木を迎え撃つ。【松熊洋介】