大会2日目となる31日は平井伯昌コーチの56歳の誕生日だった。「おめでたい日」に門下生が躍動した。

女子50メートル平泳ぎ決勝では青木玲緒樹(24=ミズノ)が自己ベストとなる30秒78で優勝。青木は「自己ベストは出そうと思っていたが、優勝できるとは思っていなかった。どちらもプレゼントできてよかった」と笑顔を見せた。

前日30日には女子100メートル平泳ぎで、今夏の世界選手権の代表入りを決めていた。4月の日本選手権では準決勝で敗退し、「このまま帰しちゃまずい」と心配した平井コーチからラーメン店に誘われた。気遣いが胸に染みた。見事に今大会で立て直した青木は「苦しい時に支えてくれた人のことは忘れません。このラーメンのことは一生、忘れません」。そう恩師の気遣いに感謝する。門下生たちでシャンパンをプレゼント。値段については「ちょっとお高いやつです」と笑った。

その20分後には女子400メートル個人メドレー決勝で大橋悠依(23=イトマン東進)が4分33秒81で制した。大橋は「33秒台は夏にいい感じにつながってくる」と振り返った。日本代表メンバーが書いた平井コーチへの寄せ書きには「56歳のスタートの日 イイ日にできるようにがんばります!!」と記した。その言葉通り、すでに世界選手権代表入りを決めていた種目で、自己記録まで2秒99に迫る泳ぎだった。

さらに、その次のレースとなった女子200メートル自由形決勝では白井璃緒(19=東洋大)が1分57秒06で勝った。白井は「ここで弱音を吐いたら、ダメだと思っていた。積極的に行くしかないと思っていた。ホッとしている」と話した。恩師の誕生日に花を添えた。