皇后杯で新潟BBラビッツ(Wリーグ)が秋田銀行(秋田、社会人東北リーグ)を66-61で破り、2年ぶりの4回戦進出を決めた。公式戦の勝利は昨年12月16日のリーグ戦・山梨戦以来349日ぶり、県内開催(ホーム)の公式戦勝利は17年11月25日の皇后杯・紀陽銀行戦以来735日ぶりになる。第4Q、56-59からG宮坂桃菜(25)が5連続得点を挙げて勝ち越しに成功した。

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迷わずに仕掛けた。右サイドからドリブルで切り込んだ宮坂は相手のブロックに遭っても勢いを止めずにリングを狙った。「自分らしくドライブで決められた」。第4Q、59-59からの力強いショットが新潟に勝利を呼び込んだ。

相手に傾きかけた流れを断ち切ったのも宮坂だった。勝ち越しの前、秋田銀行にフリーの3点シュートを決められ、56-59とリードを許した。「あれでスイッチが入ったかも」。直後にドライブからシュートを決め、ファウルをもらってフリースローも成功。3点プレーで追いついた勢いで勝ち越しシュート。勝負どころで連続5点を挙げた。

今季は司令塔としてゲームメークを心がける。周囲の攻撃を引き出すことを意識し、この日も7アシスト。ただ、もともとドライブ、3点シュートが得意。「自分のアタックを起点に味方が得点してくれていた。自分もリングに向かおうと思った」。リーグ戦が中断しているこの1カ月、持ち味の積極性を練習で確認してきた。17年11月25日の皇后杯3回戦(紀陽銀行戦)以来、ホームの観客の前での735日ぶり白星は、プレーの幅が広がった成果だった。

「正直、選手にはプレッシャーがあった」。小川忠晴監督(49)は言う。リーグ戦は開幕から8連敗。皇后杯では社会人チーム相手に絶対に負けられなかった。主将のF井上愛(29)は「『プライドを持って戦おう、持っている100%を出していい意味で開き直ろう』とみんなで話した」。チーム一丸、がむしゃらに勝利を手にした。「少し気持ちが楽になった」という宮坂は「次はチャレンジャー精神でぶつかるだけ」。リーグ戦で2位につけるトヨタ紡織との4回戦に目を向けた。【斎藤慎一郎】