スプリント部門男子総合で鹿追町出身の松井大和(22=日大)が初優勝した。500メートル5位、1000メートル6位で合計139・450点で首位の座を守った。この日発表された世界距離別選手権(2月、米ソルトレークシティー)世界スプリント選手権(同、ノルウェー・ハーマル)にも初めて代表に選出された。今季からナショナル強化選手に名前を連ねる22歳は、日本男子短距離界の成長株として期待される。

松井が日本一のタイトルを手にした。短距離2種目を2日間で2度ずつ滑走して競う総合で頂点に立った。500メートルは1日目4位、2日目5位。1000メートルでは2日間ともに大会前の自己ベストを更新し、1日目は1分9秒07の好タイムで2位、2日目は疲労の影響もありつつ1分9秒93で6位に食い込み、得点を稼いだ。「驚いています」と、はにかんだ。

国内有力選手との争いを制した喜びは、自信となった。500メートルには新浜立也(23)1000メートルには久保向希(20)の日本記録保持者がそろい、ワールドカップ(W杯)長野大会500メートルで優勝した村上右磨(27)も出場。そのなかで「(種目の)優勝はないけど、そろえられて良かった」と振り返った。

世界大会の代表の座を射止めた。大会後に発表された世界スプリント男子3枠の3人目に入り、世界距離別は1000メートルでの代表入り。今季からのナショナルチームでの練習では、練習量が増え、しっかり練られたトレーニングメニューをこなしている。自身には本格的な筋トレや自転車練習なども初めて。質の高い練習が「結果に結びついている」と感じている。世界トップレベルの日本短距離陣と身近で接し、「その場にいるだけで刺激を受けている」と話した。

急成長中の22歳。大学卒業後は岩手県内の企業への所属の話が進められており、目指すは22年北京オリンピック(五輪)だ。年明けの世界舞台は「表彰台に上がれるように頑張りたい」と意気込む。新星は五輪へさらに成長を続けていく。【保坂果那】