横浜ビー・コルセアーズはアルバルク東京に敗れ、ホーム開幕戦を白星で飾ることはできなかった。

序盤からパスなどの連携がうまくいかず、ターンオーバーは相手の3倍以上となる21を記録。3点シュートはフリーな状態で打たれ、12本を決められた。チャンスを自分たちのミスで潰し、点差を広げられ完敗だったが、今季から指揮を執るカイル・ミリングヘッドコーチ(HC)は「リーグトップの相手に最後まで戦う姿勢を見せた。エナジーや積極性は評価できる」と選手を讃えた。

Bリーグ初年度の16-17シーズンから3季連続で残留争いを経験。毎年崖っぷちの中、何とかB1に残り続けた。上位進出を目指し、今季からフランスリーグのLNBでプレーと指導経験のあるミリング氏を招へい。ところが、コロナ禍による入国制限で、合流が遅れ、指揮を執ったのは開幕第2節の今月10日が初めてとなった。「新型コロナで次の月に何が起こっているか分からない状況。本当は7月末に合流してチームを完成させるはずだった」と胸の内を明かした。

遅れたのはHCだけではない。新加入のアウダとカーターは、今月来日したものの、2週間の隔離期間中。さらに主将の生原は膝のケガが完治しておらず、開幕から出場できていない。ミリングHCは「自分たちは、ここから選手が合流して、上がっていくだけだ」と前を向いた。主力が3人欠け、新加入選手も多く、コミュニケーション不足の不安がある中でスタートした。それでもチーム一丸で新潟、滋賀から2勝を挙げ、負け越してはいるが、チームの雰囲気は上向きだ。

18日の次戦に向け、ミリングHCは「才能は少ないかもしれないが泥臭く戦っていく」と話した。4得点に終わったチェンバーズは「HCも選手も変わって、一からのスタート。チーム力が大事になる」と意気込んだ。チーム名の「コルセアーズ」は海賊の意。波乱の船出となった海賊軍団だが、これからは伸びしろしかない。【松熊洋介】