18年世界ジュニア選手権3位の山下真瑚(17=中京大中京高)が4回転サルコーに挑んだ。前日は「明日はまだ決まってないです。どうなるかなと思ってます」と話していたが、冒頭、果敢にチャレンジし、結果は転倒だった。「軸がずれてしまって。でも締めなきゃ、と思って締めたら、こけてしまいました」と振り返った。

練習でも「まだクリーンに決めたことはない」という、習得を目指している大技だが「サルコーはいつも失敗するので切り替えて。楽しく自由に滑れたと思う」。前向きな行動だけに、メンタルが崩れることはなかった。続く3回転ルッツ-3回転トーループ-2回転トーループの3連続ジャンプを完璧に決め「自分でもキレイに決まったと思いました。でも気を抜いちゃダメだよ、と自分に言い聞かせながら滑りました」と意地を見せた。一方で「後半(転倒した3回転の)ルッツ-トーループも跳べれば『さすが』となっていたところで失敗してしまったので、跳べるようにしないといけないですよね」と課題と収穫も口にした。

「(構成に)入れないと上には行けない」との決意で、9月の中部選手権でも4回転サルコーに挑んだ。ダウングレード判定から約1カ月。「鍵山優真選手やネーサン・チェン選手、トゥルシンバエワ選手に(同じクラブ出身の先輩、宇野)昌磨君の4回転サルコーも見て、たくさん試して、感覚的に学ぶようにしました」とイメージを固めている最中だ。

11月下旬のNHK杯(大阪)や12月下旬の全日本選手権(長野)に向けて、大舞台で成功を目指す目標は変わらない。「練習から失敗しないように、降りられるように、たくさん練習します」と自分に言い聞かせるように話した。