アイスダンスデビューとなった村元哉中(かな、27)、高橋大輔(34、ともに関大KFSC)組が3組中3位にも手応えを感じ取った。

フリーダンス(FD)は93・10点の3位にとどまり、合計157・25点。多回転の片足ターン「ツイズル」で転倒した高橋は「これが試合なのかな」と精神面の重要さを痛感し「想定外のことがあったことが、次につながる」と笑った。

フリーはクラシックバレエの「ラ・バヤデール」。序盤のリフトなどで高評価を得て、独創的な世界観を作り上げた。高橋のエッジ(スケート靴の刃)が村元に当たるなど、完璧な滑りとはいえない。だからこそ村元は「本当始まったばっかり。どういうチームになるか、ワクワク感があります」と未来に目を向けた。

初の競技会を終え、1カ月後には全日本選手権(長野)が控える。悔しさ、安堵(あんど)…。多様な思いを抱えた高橋が言った。

「(22年)北京五輪を大きな目標にしている過程での、全日本選手権です。焦る気持ちをおさえて、着実に練習していきたい。(五輪に)行けると信じて、頑張っていこうと思います」

2人で作る物語は、まだ序章にすぎない。

◆アイスダンスとは 「氷上の社交ダンス」とも言われるアイスダンス(ID)は、1組の男女が音楽に合わせ、ステップやリフトなどで得点を競う。シングルはショートプログラム(SP)とフリーで争われるが、IDはリズムダンスとフリーダンス。1回転半以上のジャンプなどは禁じられている。日本勢の五輪最高位は、06年トリノ大会での渡辺心、木戸章之組、18年平昌大会での村元哉中、クリス・リード組の15位。