全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は来年1月5日、東京体育館で開幕する。東北6県の男女代表校を紹介する「春高で輝く」、今回は福島編です。

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男子の福島商は2月の東北新人戦準優勝の実力校。2年ぶり2度目の全国出場で、初戦は初出場の近大付(大阪)と対戦する。チームの命運を握るのは、司令塔・丹治嵩主将(3年)だ。郡山北工との県予選決勝では得点源を定めずに、ボールを散らして羽田汐音と菱沼夏輝(いずれも3年)がチーム最多タイの13アタックで得点を重ねた。同主将は「スパイカーの打点に合わせて、余裕を持って打てるようなトスを上げられた」と納得の表情だった。

丹治主将ら現3年生9人のうち6人は17年、中学世代のジュニアオリンピック福島県選抜として戦い、翌18年に同校へ入学。1年時から主力として同年、初の春高出場に貢献した。自身2度目の春高出場へ、エース羽田は「攻守の要となって、声を出して自分たちのバレーを展開したい」と言葉に力を込めた。

同校は今年のNHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデルとなった作曲家古関裕而氏の母校として注目される。丹治主将は「自分たちの良さを出せないと良い結果につながらない。注目されているという良い緊張感を持って、大会に挑みたい」。チームの目標は8強以上。地元から送られるエールを背に、春高初勝利を飾る。【相沢孔志】