フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)が、約10カ月ぶりの実戦となる全日本選手権(24~27日、長野市ビッグハット)で今季初戦を迎える。新型コロナウイルス感染拡大の影響でグランプリ(GP)シリーズなど、ここまで全休。拠点のカナダに戻ることもできず、地元の仙台市など国内で調整してきた。

その後、全日本へのエントリーを決断。公式練習前日の23日夜、大会を中継するフジテレビ系「Live News α」でインタビューに応じ、ショートプログラム(SP)フリーともに新プログラムを披露することを明らかにした。

曲名は「見ていただいての楽しみにしたい」とした上で「『SEIMEI』『バラード第1番』と比べちゃうと、もちろんまだ、あそこまでの自信の塊みたいなところまでにはいってない。ただ、誰かの心に何か感情が灯る、何かの気持ちが灯る、きっかけになればいいな」と神妙に語った。

翌24日の公式練習後、曲名が判明。SPは「Let Me Entertain You」で振付師がジェフリー・バトル氏、フリーが「天と地と」で振付師がシェイリーン・ボーンさんだった。

コーチ不在の中で「ジャンプ、スピンの配置など流れ以外はほぼ全部、自分が決めたと言っても過言ではないプログラム」と笑い、前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の習得状況と投入の可能性については「跳べるイメージは具体的に膨らんできて、あとは体を乗せられるか乗せられないか、ぐらい。ただ今回はやらない」と見送った。ただ「それだけじゃないって1人で練習していて気付いて。いろいろ割り切れるようになった。ちょっと大人になったんですかね」と、単なる回避ではない前向きな心境の変化も口にした。

新型コロナ再流行の中、今年2月の4大陸選手権(韓国)以来となる出場を決断した理由については「率直に言えば出たい気持ちよりもリスクの方が大きいけど、まずは自分が感染拡大のきっかけにならない、かからないようにした上で、決断をしたからには責任を持って、いい演技をしたい」と細心の注意を払って、最善を尽くす。【木下淳】

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