グランプリ(GP)シリーズ出場経験のある松田悠良(22=中京大)が、悩める胸中を告白した。

ジャンプの転倒などで得点が伸びず、44・69点で28位。上位24人のフリーへと進むことができなかった。

大学4年のシーズンを過ごし、今大会には特別な思いで臨んでいた。

「(今後を)すごく迷っていて…。自分の中ではケガも多いですし、8~9割は『全日本で最後にしよう』という気持ちで挑んでいました。先生にも、家族にも『全日本が終わった時点で決めたい』と言っていました。引退するか、しないかは、はっきりと言えないです。ちょっと考えたいと思います」

近年は故障に苦しみ、全日本選手権も万全な状態で臨めないことが増えた。

「『最後になるかも』ということで1年間、全日本に向けて、西日本(選手権)も『ここで落ちたら最後になるかもしれない』と挑んでいました。(この日の演技が)終わった時点では『また1年、ゼロから頑張る』と想像できなかった。若い世代の子は(高難度の)ジャンプを跳んでくる。そこで一緒に戦うのは厳しいものがある。スケートは好きだけれど、現実的には『引退した方がいいのかな?』というのはあります」

丁寧に言葉を紡ぎながら、思いを口にした。【松本航】