フィギュアスケート全日本選手権の男子で5年ぶり5度目の優勝を果たした羽生結弦(26=ANA)が28日、上位選手らが共演するエキシビション「メダリスト・オン・アイス」に出演した。大トリで「春よ、来い」を披露。コロナ禍の中で「やめようかな」と悩んだ時、ふと滑り「やっぱスケート好きだな」と立ち直るきっかけになった曲だ。

白銀に輝く衣装で3回転ループからハイドロブレーディング、イナバウアー、ディレードアクセルと盛り上げていく。アンコールでは、暗い世相を明るくしたいと4年ぶりに選んだショートプログラム(SP)のロック曲「レット・ミー・エンターテイン・ユー」を選択。全体フィナーレでは紀平梨花の片手側転を完全コピーし、オープニングでは人気アニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」に乗ってファンの心を燃やした。

葛藤を抱えながら出場した大会。新フリー曲「天と地と」もお披露目し、激動の年を王座奪還し、この言葉で締めた。「細心の注意を払って、手拍子だけで応援してくださった観客の皆さんに感謝したい。これからもプログラムごとにオーラが変わるような演技をしたい。今季のプログラムはギャップがあるので二面性を楽しんでいただき、フィギュアスケート自体も楽しんでいただけるよう頑張っていきたい」。【木下淳】