白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、復帰後初めて試合でバタフライにエントリーした。東京都水泳協会は25日、東京都オープン(2月20、21日、東京辰巳国際水泳場)のエントリーを公開し、池江はともに日本記録を持つ50メートル、100メートルに登録した。昨年8月の復帰後は自由形でレースを重ねてきたが、いよいよ本命種目でレースに向かう。

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池江が、代名詞のバタフライでレースにエントリーした。東京都オープン第1日の2月20日に100メートル、第2日の同21日に50メートル。体調が最優先でコロナ禍の状況にもよるが、大目標の24年パリオリンピック(五輪)に向けて「第2の水泳人生」におけるバタフライでの第1歩となる。

池江は長水路(50メートルプール)でリレー種目も含めて8個の日本記録を持っている。その中でも日本記録56秒08の「1バタ(100メートルバタフライ)」は、最も得意な種目だ。16年リオデジャネイロ五輪では予選、準決勝、決勝と日本新を3レース連続でたたき出して、銅メダルまでわずか0秒23差の5位に入っている。

昨年8月のレース復帰後はすべて自由形で試合を重ねてきた。次戦のジャパン・オープン(2月4~7日、東京アクアティクスセンター)も50メートル自由形でエントリー。その後、順調ならば、復帰5戦目でバタフライが解禁になる。昨年7月には「(入院で)1年以上、全く体を動かさなかったけど、肩の柔らかさは変わっていなかった。そのおかげでうまく泳げている。バタフライは複雑なのでまだつかめてないですが」と話していた。まずはレースでの感触を確かめる形だ。

あくまで照準はパリ五輪。23日の北島康介杯では100メートル自由形で55秒35の4位。東京五輪代表選考を兼ねた日本選手権(4月)の出場権を確実にした。同選手権は自動的に個人2枠、400メートルリレー4枠の代表選考になるが、池江は「練習中から東京五輪を目指すのではなく、目の前で泳いでいるチームメートに勝つ。細かいところに集中してやって、その先に結果がついてきてくれる」とした。100メートルバタフライの同選手権参加標準記録は1分0秒29だが、1日1日を積み重ねるスタンスは変わらない見通しだ。【益田一弘】

▽池江のエントリー

◆ジャパン・オープン(東京アクアティクスセンター)

2月7日 50メートル自由形

◆東京都オープン(東京辰巳国際水泳場)

同20日 100メートルバタフライ

同21日 50メートルバタフライ

▽東京五輪の代表選考 4月の日本選手権決勝で、日本水連が定めた派遣標準記録を切って2位までに入った選手が内定する。女子100メートルバタフライの派遣標準記録は、個人種目が57秒10、メドレーリレーは57秒92となっている。日本選手権に出場するための参加標準記録は1分0秒29。