<テニス:全豪オープン>◇20日◇メルボルン◇女子シングルス決勝

世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)が、同24位のジェニファー・ブレイディ(米国)に6-4、6-3でストレート勝ちし、2年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。

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大会後の最新世界ランキングで2位に復帰する。次戦は3月のマイアミオープンに出場予定だ。

大坂が受けの強さで頂点に立った。目を引いたのはリターンゲーム。特に第2サーブへの対応だった。ベースラインの内側に入り、精度の高いショットを左右、中央に打ち分けてプレッシャーをかけた。ブレイディが大坂の第2サーブに対してベースライン後方に下がり、フォアの強打を狙い続けていたのとは対照的だった。

その後のラリーにも進化を遂げたフットワークで対応した。しかも、決して無理はしない。80%ほどの力でボールをつなぎ、決定打を狙うブレイディのミスを誘った。これまではパワフルなショットばかりが注目されてきたが、相手の攻撃をガッチリ受け止めた上で試合を支配した。決定打は大坂の16に対してブレイディは15と互角だったが、凡ミスは24対31と差がついた。それがサーブブレーク数にも表れた。

2人の実力差は明確で、ブレイディが勝つにはサーブでもストロークでも無理をして攻める必要があり、その分、ミスも増える。大坂はそれを見越してゲームプランを立てていた。多少の決定打は許しても、無謀な打ち合いを避け、正確なショットを続けて相手の自滅を誘う。絶対に負けられない戦いで、大坂が新たな一面を見せてくれた。(亜大教授、テニス部総監督)

◆全豪オープンテニスは、2月8~21日、WOWOWライブで連日生中継。WOWOWオンデマンドでも同時配信予定。