2年に1度の団体戦が開幕し、女子の坂本花織(21=シスメックス)が登場した。
「バッハ・ア・ラ・ジャズ」をノーミスで舞い、自己ベストを更新する77・78点をマーク。日の丸が揺れる客席から大きな拍手を浴びた。
冒頭、得意のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を決めると、続く3回転ルッツも成功。出来栄え点(GOE)プラスを引き出した。3月の世界選手権(ストックホルム)では踏み切り違反の判定を受けた課題のジャンプ。大会後に「重点的に修正してきた」というジャンプを降りると、最後の3回転フリップ-3回転トーループもキレイに着氷した。自身に加え、中野園子コーチも拳を握る納得の演技となった。
大会恒例の応援席ではチームジャパンによる「頑張ろう日本」の横断幕や、現在と幼少時の写真が表裏に収められた、うちわなどで力強く後押しされた。
演技後に行われたオンライン取材の一問一答は以下の通り。
-SPを終えて
ステップの途中で「今季これで最後か…」と。終わっちゃったという感じでした。
-課題のルッツを含め演技の振り返って
今までは緊張しすぎて。今までフリーにしかルッツを入れたことなかったんですけど、今季からSPに入れて。緊張したり、今までは3-3(連続ジャンプ)の方に意識がいっていた。この2週間、ずっとルッツを練習してきた。スケート人生で初めてと言っていいくらい、ルッツのエッジの練習をしてきた。認めてもらえたので、ここからが勝負。次は、もっと加点の付くようなルッツを、これからも練習していきたい。
-17日のフリーに向けて
フリーは、ずっとやってきた「マトリックス」。最後にキレキレのマトリックスができたらいいなと思います。
-来季は新プログラムになると思う。4回転ジャンプを入れる予定は
女子でも必須になってきている。ゴールデンウイークから来季に向けた練習ができる。新しいプログラムを作ったり、4回転のトレーニングを積んでいく予定です。
-演技前、中野コーチから耳を引っ張られていた
耳を引っ張るのは、ジュニアの時からやっていたので。それを自分の代わりに先生がやってくれた感じです。
-緊張はほぐれたか
ほぐれました。顔がめっちゃヤバいなと思ってたんですけど、ふふ、ってなりました。
-ルッツの練習は何本くらい跳んだのか
何本かは分からないですけど、練習中に映像を撮ってもらったり、先生やジャッジの方に見てもらったりして、1番アウトに見えるコースはどこか、とか細かくやってきました。毎日30分ぐらいはやってたと思います。
◆世界国別対抗戦 7度目の開催となる国際スケート連盟(ISU)公認大会。世界6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目8人で争う。各種目優勝は12点、2位は11点…と与えられ、合計点で優勝国を決める。日本の他にロシア、米国、フランス、イタリア、カナダが参加。SP、フリー(アイスダンスはリズムダンス、フリーダンス)ごとに区切り、総合得点での順位は得点としない。各出場者(組)の総合得点はISU公認記録となる。