ラグビーのトップリーグ(TL)神戸製鋼が使用する練習場(神戸市東灘区)横に「虎の穴」ができた。

正体は室内練習場を備えた新クラブハウス。日本選手権を2連覇する前の89年11月に完成したクラブハウスの横に建設され、面積は従来の約3倍。7日、福本正幸チームディレクター(53)は「そりゃあ優勝せんとアカンでしょう。環境を整えてもらった。ハングリーさを忘れずに頑張っていきたい」と、22年1月開幕予定の新リーグ初代王者を誓った。

誰もがうらやむ設備だ。かねてクラブハウスの老朽化が懸念されており、18年のTL優勝を機に社内の機運が高まったという。名将ウェイン・スミス総監督(64)の要望は「オンとオフが切り替えられる環境がいい」。スリーピングルーム(仮眠室)にはスーパー銭湯のように畳が設置され、練習の合間など一度に20~30人が眠ることができる。リハビリ用、アイシング用の浴槽はもちろん、縦25メートル、横20メートルの室内練習場はラインアウトができる高さを確保。2階にはテラスがあり、新型コロナウイルス収束後には、仲間と親睦を深めるためにBBQなども行えそうだ。

神戸製鋼の歴史を見守ってきた現在のクラブハウスも取り壊さず、活用方法を考えていくという。新クラブハウスは早ければ8月から使用する予定。選手もまだ全容を知らず、元日本代表SH日和佐篤(34)は「すごく楽しみです」と心待ちにした。【松本航】