3月の世界選手権で3位に入ったアレクサンドラ・トルソワ(17)が衝撃的な演技を披露した。4回転4種5本に挑み、その全てを着氷。得点がオープンにされない大会だが、22年北京五輪金メダルへ、国内外に強いインパクトを残した。

険しい表情が多いエテリ・トゥトベリゼ・コーチが笑った。最後の決めポーズをほどき、髪を赤く染めたトルソワもほほえんだ。冒頭で4回転フリップを着氷させ、続く4回転サルコーも決めた。アクセルはダブルアクセル(2回転半)にとどめたが、4回転トーループにも成功。見せ場はここからだった。

基礎点が1・1倍となる演技後半。アクセルを除いて4回転で最も基礎点が高いルッツに3回転トーループをつけ、さらに手を挙げながら2本目の4回転ルッツを着氷。最後は3連続ジャンプで締めくくった。

ジュニア時代に世界ジュニア選手権2連覇を飾った逸材は、シニア転向後、同じロシアのライバルに国際大会の頂点を譲ることが増えた。昨季は06年トリノ五輪男子金メダルのエフゲニー・プルシェンコ・コーチの指導を受けていたが、今季からトゥトベリゼ・コーチの下に復帰。約5カ月後に迫った北京五輪へ、シーズン序盤から高いポテンシャルを見せつけた。

この日、全て着氷させたジャンプ構成は以下の通り。

〈1〉4回転フリップ

〈2〉4回転サルコー

〈3〉2回転半+3回転トーループ

〈4〉4回転トーループ

〈5〉4回転ルッツ+3回転トーループ

〈6〉4回転ルッツ

〈7〉3回転ルッツ+1回転オイラー+3回転サルコー