ショートプログラム(SP)首位の三浦佳生(16=東京・目黒日大高)が4回転ジャンプ2種類を決めて154・99点をマークし、合計235・73点で初優勝した。昨年は関東選手権を制したが、今春の高校進学に伴い出場する舞台が変わり、東京ジュニア王者になった。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を降りて波に乗ると、続いて4回転サルコーに成功。さらに4回転トーループ-3回転トーループの2連続も決めた。

次の4回転トーループは転倒。最後の3回転ルッツからの連続ジャンプも2本目にミスが出るなど演技後半は「体力不足。4回転3本やって、スピンやって、脚に疲労がきて」と課題も感じながら、新プログラム「ポエタ」を舞い切った。

ビバルディ「四季」の「冬」を演じた前日のSPでは、自分でも口を手で覆って驚く80・74点。この日も「思った以上に点数が出た」と150点を超え、計230点オーバーの評価を受けた。構成も違うため単純比較はできないが、8月末の関東サマートロフィーでは合計177・79点。当時は、大会直前に靴のブレード(刃)が折れたことで調整不足だったが、この日は50点以上もスコアを上げ「その後の調子は、いい感じです。サルコーもトーループも跳べているし、僕なりには、うまくまとめられたかな」と好調だ。

まだジュニアながら、4回転ジャンプは既に2種を体得した上、ループもフリップも練習している。「ぶっちゃけ言っちゃえばフリップもループも1回は立ってるんですけど、まだ『やった! 降りた!』って言えるような確率じゃないんで」と笑顔で説明しつつ「でも、次の東日本選手権(29~31日、東伏見)までに上げていきたい。次はフリップ込みで250点とか出せたらいいな」と、さらに上を見た。

今季は、選考会を勝ち抜いてグランプリ(GP)シリーズNHK杯(11月、東京)への2年連続出場も決めた。羽生結弦、宇野昌磨も出る大会で「ヤバい選手ばっかり(笑い)。でも、そのヤバい選手たちの中で僕の存在も『どうだ!』って見せられたら。羽生選手と宇野選手と同じ組で滑りたいな」と笑顔で話した。

昨年は全日本ジュニア選手権2位。中学3年ながらシニアの国内組トップが競ったNHK杯6位と躍進した。高校生になった今シーズンの大きな目標は「全日本選手権の最終グループ(出場した上でSP6位以内)と世界ジュニア選手権の(表彰)台です!」。SPは試合も練習もノーミスが続いているといい「自信を持ってます」。フリーも3本目、4本目の4回転を投入する可能性を公言。次代の日本のエースが順調な成長曲線を描いている。【木下淳】