日本スケート連盟(JSF)の竹内洋輔フィギュア強化部長(42)が競技後、日本の報道陣の代表取材に応じ、大会を振り返った。

来年2月4日に開幕する北京オリンピック(五輪)のテスト大会にチームオフィシャルとして参加し、まず新型コロナウイルス対策について「完全にコンペティション(競技大会)バブルで、テストイベントとして五輪に向けた準備が進んでいる。今回は連盟の強化部として、いろんな調査を兼ねて来た。非常にコロナ対策は徹底していて、毎日PCR検査があり、リンクには大会指定のマスクをしていないと入れてもらえないほど。かなり厳格にやっている」と運営の印象を語った。

その厳格さについては「世界選手権(今年3月、ストックホルム)以上」という。「中国という国の中での(徹底したコロナ対策の)厳しさと、五輪としての厳しさ、両方がある。その分、安心して選手は試合に臨めると感じた。我々も毎日、口腔(こうくう)のPCR検査をクリアしないといけない。予防のためのIDを割り振られているが、毎日の検査結果とリンクする形になっている。それを満たさないとバスに乗れないし、ホテルから出られない。その点、全員クリアな状態なので安心できる」と開幕まで4カ月を切った舞台の「今」を紹介した。

会場である首都体育館については「僕も何年か前にこの会場に来ましたが、全ての施設がリニューアルされていて、北京五輪に向けた準備がしっかりされている、ここで五輪をすることが見えてきた」とした。

今大会は無観客。北京大会の組織委員会は本番中の観客について、海外からの受け入れを東京五輪と同様に断念し、中国在住者だけにチケットを販売すると発表している。主に北京市民が会場を埋めた時の想定こそ「まだどうなるか今回は分からなかった」が、実際に会場を訪れたことで「今回ここに来て、全ての位置的な状況、今後どのように大会が行われていくのか一定の想定ができた。しっかり五輪に向けて準備していく」と、日本代表をサポートする立場として、今回の遠征の知見を抜かりなく生かすつもりだ。

今大会には9カ国・地域から32選手が参加した。男子は鍵山優真が完全優勝、佐藤駿が2位。女子は三原舞依がSP2位から逆転で制し、坂本花織が2位だった。竹内強化部長と石川翔子チームリーダー率いる日本勢が、本番リンクで男女とも縁起良くワンツーフィニッシュした。【木下淳】