東北のフィフティーンの正月越えは、今年はかなわなかった。

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青森山田(青森)は御所実(奈良)に7-55で敗れた。前半、CTB神真広(2年)が、一矢報いるトライを決めたが、以降は相手の堅守を崩せなかった。仙台育英(宮城)は、報徳学園(兵庫)のスピードに翻弄(ほんろう)され10トライを許し、14-62と大敗した。

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御所実のドライビングモールを止められなかった。前半7分、22メートルラインからラインアウトモールでトライを決められると、17、26分にも同様の形で得点を許した。

モールで20メートル近く押し込まれたことにSO伊藤和樹主将(3年)は、「組織的なモールに自分たちが対処できず、点数を重ねられました」と振り返った。後半には数回、モールからの攻撃を止め、そこから反撃する場面もあったが、相手の堅守に阻まれ敵陣までボールを運ぶことができず、強豪との力量の差を痛感する一戦となった。

準備していたサインプレーで一矢報いた。前半21分、相手のペナルティーでマイボールを獲得。ゴールライン10メートル手前、左サイドでのスクラムから一気に右に展開。中央にいたFBフィリモネ・サイア(2年)へのマークが厳しかったため、CTB神の前にはスペースが空いていた。「ここは取り切らないとダメだという場面だった」。神はサイアをおとりに伊藤からのラストパスを受けると、空いたスペースを駆け抜けそのままトライ。「数少ないチャンスで自分たちのラグビーが通用したという証拠になったと思います。素直に(トライを)チームで取れてとてもうれしかったです」と喜んだ。

「自分たちの気の緩みで負けた部分がある。来年しっかり頑張ってほしい」。伊藤は後輩たちに期待を込めた。先発フィフティーンのうち、8人が1、2年生とチームはまだ若い。神は「強豪校とやって自分たちの弱いところが明確になったと思う。来年は目標のベスト16を達成できるようにこれから成長していきたいです」。先輩たちの思いを継いで、来年また聖地“花園”に帰ってくる。【濱本神威】

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