「りくりゅう」が若き才能に驚いた。

ペアで世界選手権2位の三浦璃来(20)、木原龍一(29)組(木下グループ)が、木下アカデミーのメンバーらとアイスショーに出演した。2人は青の衣装で「I lived」を演じ、スロージャンプなどを披露した。

アットホームな雰囲気の「ブルーム・オン・アイス」では発見もあったという。ペア転向前にシングルの選手だった木原は「島田麻央選手が素晴らしい。『どうやったらあんなに簡単に跳べるんだろう』と思った。同じ世代じゃなくて良かった」と笑わせた。13歳の島田は今季、1つ下のカテゴリーとなるノービスながら、全日本ジュニア選手権で優勝。ノービス年代のジュニア日本一は94年の荒川静香(当時中学1年)以来27年ぶりの快挙で、競技会ですでに4回転トーループやトリプルアクセル(3回転半)を成功させている。

2人は同じペア競技の次世代にも手を差し伸べた。木下アカデミー所属の森口澄士(すみただ、20)と村上遥奈(13)がペアを結成し、この日のオープニングで演技のお披露目となった。

新ペアの2人がてこずっていたのは、男子と女子が手を握り、男子が中心となって女子を回す「デススパイラル」だった。練習時間を使って、まずは木原が村上と組んで実践すると2度目で成功。次に森口が三浦と組んで練習したという。森口は三浦との練習を振り返って「安心感のあるデススパイラルでした」。「りくりゅう」は言葉だけでなく、実際に体を動かし、経験の浅い後輩の道しるべになった。

飛躍の1年を過ごした「りくりゅう」にとって、7月からの新シーズンではさらなるステップアップが期待される。三浦は「(今季)グランプリ(GP)ファイナルに選ばれたけれど(新型コロナウイルスの影響で)開催できなかった。もう1度、GPファイナルに行きたい」。木原も「ファイナル、4大陸、世界選手権…。全部の試合でメダルを獲得したい」と力強く意気込んだ。【松本航】