破竹の勢いが止まらない。仙台89ERSがライジングゼファー福岡を78-65で下し、今季最長の8連勝を達成。最高の形でレギュラーシーズンを締めくくった。7日から始まるプレーオフ(PO)クオーターファイナルは、福島との対戦が決定。レギュラーシーズン3勝3敗と互角の「東北ダービー」を制し、悲願のB1昇格へ突き進む。

Bリーグ初のPOホーム開催で、今度こそB1の舞台にたどり着く。18-19シーズンから4季連続主将を務める月野雅人(33)はこれまで176試合に出場し「ホーム100勝」に大きく貢献。月野は「ナイナーズに来て、まだ目標を達成することができていない。今年のチャンスはすごく大きい。このメンバーで成し遂げたい」と最大目標の「B1昇格」を見据えた。

4月30日の第1戦。渡辺翔太(23)が、第10節熊本戦以来146日ぶりにゼビオアリーナ仙台のコートに立った。渡辺は「ホームコートはすごく特別だなと感じました」と笑顔。第1、2戦ともに10分以上コートに立ち、ペイントエリアへの激しいアタックや前線から強度の高いディフェンスを見せ、「仙台の牛若丸」復活を予感させた。

渡辺も復活し、フルロスターで向かうPOへさらに強度を上げていく。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「相手の強度に終始押されて簡単なミスがあった。POの強度に対し、強い気持ちで戦わなければいけないと思いました」と試合内容を反省。POの相手は福島に決まったが、「対戦相手が誰であろうと関係なく、自分たちのバスケットを40分どれだけできるかだと思う。しっかりやっていきたいです」と語るなど、8連勝にも慢心はない。

最終戦には2日合わせて3807人のブースターが詰めかけた。平均入場者数はB2で4年連続1位。ブースターの期待は年々高まっている。月野は「年々期待が高まってきていると感じます。皆さんの前で一緒に戦えることがすごくうれしい」。アリーナをイエローに染める“大黄援”を背に受け、「B2優勝、B1昇格」を決める。【濱本神威】