今季初の「東北対決」は“先輩”に軍配が上がった。Vリーグ2部(V2)アランマーレ山形がダブルヘッダーでV1埼玉上尾に0-2でストレート負けしたが、V2リガーレ仙台に2-1で逆転勝ち。第1セット(S)は勢いある攻撃に苦しむも修正し、木村友里主将(26)を中心に“超々攻撃型バレー”で競り勝った。今日3日の最終日は順位決定トーナメントに挑む。

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埼玉上尾に敗戦後のリガーレ仙台戦。同じ東北を拠点にする相手に最初は主導権を握られた。木村は「入りからサーブでしっかり攻めようとスタートしたが、向こうの速さに遅れたり、粘り強さに負けてしまった」。3セットマッチの第1Sを先取され、第2S序盤でも4点リードから7連続失点で逆転される苦しい展開。それでも自分たちのスタイルを見失わなかった。

中盤から前衛とバックアタックをからめた“超々攻撃型バレー”が機能しはじめ「いいリズムが作れた」。終盤に前田美紅(24)らの得点で突き放してセットカウント1-1のタイとし、第3Sは柳沢紫子(27)が得点を積み上げ、逆転勝利を呼び込んだ。木村は「(ベテランの)田村(愛美)と柳沢が目立ったプレーではなく、当たり前のことを当たり前にやってくれるところが後輩のいいお手本になった。チームに落ち着きがあって3セット目はいいスタートが切れた」と振り返った。

勝利は譲れない「東北対決」。視線の先には、日体大で1学年後輩の小沢史苑主将(25)がいた。「最初にキャプテンが呼ばれて互いに向き合ったところから『絶対に負けない』って。すごく気合を入れて臨んだ」。引き締まった表情を見せプレーでけん引。逆転勝利を収めた試合後、笑顔を見せた。「卒業しても後輩とコートを挟んで戦えるのは本当にうれしい」。

今日3日はV1日立との対戦が決定。「サーブからのトータルディフェンスをしっかりやりつつ、バックアタックと前衛の攻撃を織り交ぜた攻撃型をどんどん成長していけるように。明日も目的を持って試合に臨みたい」と意気込んだ。勝利を重ね、夏舞台を終える。【相沢孔志】

<リガーレ仙台「次は勝利」>

小沢主将は、日体大で先輩の木村と同期の伊藤摩耶(25)が在籍するアランマーレ山形に逆転負けし、気を引き締めた。「やっぱり(プレーは)いやらしいなと思いますけど(試合を)やっていて楽しいので…。その楽しさを、次は勝利に結びつけられるように頑張ります」。この日初戦のV1・KUROBEにストレート勝ち。グループ3位通過となり、今日はV2ルートインホテルズとの対戦が決まった。「どの相手に対しても自分たちのやることをやっていけたら」と力を込めた。