21年全日本選手権6位でショートプログラム(SP)4位の渡辺倫果(20=法政大)が3位に入った。

フリーは3位の115・87点にとどまり、合計170・56点。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒、演技後半の3回転ルッツが1回転に抜けるなど苦しみ「正直悔しい気持ちもあるんですけれど、CS(ロンバルディア杯)から疲れの残る中での試合。いい経験ができたと思います」と前向きだった。

9月17日まではイタリア・ベルガモでロンバルディア杯に出場。合計213・14点の高得点で、初優勝を飾った。日本からは北京五輪(オリンピック)団体銅メダルの坂本花織(シスメックス)、樋口新葉(明治大)も出場。リンク外の生活も共に過ごす時間が長く「(大会前は)『どうしよう』と思っていました。氷に乗ったら(2人は)雰囲気が変わる。自分の目指しているスケーティングスキルを持ち合わせている。近くで見られて、本当にいい経験をさせていただきました」と目を輝かせた。

今大会、得点源となるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はSPで回避。「昨日あたりからアクセルがイタリアから戻ってきてくれた」と独特な表現で復調を実感していたが、この日のフリーでは転倒となった。現状を確認し、視線は今後に向けた。

「今季は去年の自分を超えることを目標にしています。『超える』となると全日本5位以内。ショート(SP)、フリーをノーミスしないと、5位以内は難しいと思います。その先に順位が1つでも2つでも上がっていって、4大陸(選手権)だったりに出場できるといいなと思っています」

喜びのロンバルディア杯、悔しさの残る東京選手権。2つの大会からの学びを生かしていく。【松本航】