今年3月の世界選手権女王でショートプログラム(SP)首位から2連覇を狙う坂本花織(22=シスメックス)は、完璧な演技をみせ、フリー155・26点、合計233・05点で2連覇、3度目の優勝を果たした。「率直にうれしい気持ちで一杯で、この1週間頑張って追い込んで良かったな」と歓喜に浸った。
冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)でダイナミックな跳躍を披露すると、全てのジャンプを決めきった。
SPでスイッチが入った。「何か吹っ切れた。人が変わるように新しい風が吹いた。それが来たから乗るしかない」と笑う姿があった。
今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルではSP首位から、まさかのフリー失速で5位。今季はここまで、モチベーションに苦しんできた。
北京五輪で銅メダルを獲得し、世界選手権を制した昨季は、心身共に追い込み続けて結果を手にした。その反動から、定まらない心に苦闘してきた。ファイナルのフリー後には、「精神的な面と練習の積み重ねの面の両方かなと思っています。フリーは最近、スピンやステップを抜いたりしないと最後までプログラムを滑りきることができないということがあった」と明かした。
ただ、その結果が何よりのカンフル剤になった。帰国後の1週間は成功体験を踏襲するように走り込んできた。
「全日本が来年以降の試合にかかってくる重要な大会なので、それまでどれだけ駄目でもここは決めないといけない。何としても勝って終わりたかった」。
優勝で23年3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)も内定させた。母国で2連覇に挑む。


