ショートプログラム(SP)首位の田内誠悟(14=愛知・城山中2年)が初優勝を飾った。

フリー3位の123・72点を記録し、合計190・04点。2位の高橋星名(愛知・星槎名古屋中1年)を2・95点差で振り切り「今日は本当に『勝ちきらないといけない試合だ』と自分でも思っていたので、その中で力を発揮できたのは良かったかなと思います」と中学日本一を喜んだ。

独特の緊張がある最終滑走だった。前に滑る1学年後輩の高橋、総合3位となった西野太翔(神奈川中1年)が好演技。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は回避し、2回転半でまとめて演技を進めた。後半の3回転ルッツは2回転に抜け「これで失敗したら負ける」と認識しつつ、最後の3回転フリップを降りた。

元世界女王の安藤美姫らが巣立った名東FSCの所属。今季はジュニアながら初出場した全日本選手権で23位となった。SPは15位と奮闘し「僕は本当にショート(からフリーに進む最低の)24番でもフリー滑りたい気持ちがあった。まさかで15番になってしまった」と驚き、フリーの同組には三浦佳生(オリエンタルバイオ/目黒日大高)ら世界で活躍するシニアの選手がいた。緊張感からフリーは満足いく演技ができなかったが、この日は「ジュニアグランプリ(シリーズ)だったり、全日本への出場があったからこそ、今日もまとめることができた」と貴重な経験を生かした。

今後は3月のプランタン杯(ルクセンブルク)へ派遣されることが決まっている。シーズンの終盤に国際大会を控え「今はうれしい気持ちでいっぱいなので、今日は満足したけれど、また明日から、それに向けてしっかり練習を積んでいきたいと思います」と誓った。【松本航】

◆男子最終成績

〈1〉田内誠悟(愛知・城山中1年)190・04点

〈2〉高橋星名(愛知・星槎名古屋中1年)187・09点

〈3〉西野太翔(神奈川中1年)185・51点

〈4〉蛯原大弥(東京・中野第二中2年)163・36点

〈5〉佐藤和那(愛知・沓掛中2年)157・64点