柔道男子66キロ級の東京オリンピック(五輪)金メダリストで、世界選手権(5月7~14日、ドーハ)2連覇と24年パリ五輪代表内定を狙う阿部一二三(25=パーク24)が22日、都内で取材に応じ、侍ジャパンを祝福した。

記者団との応答が始まる30分ほど前に、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で日本が発祥国の米国に勝利。3-2で14年ぶりの世界一に返り咲いた勇姿を見届け「すごいっすね。(大会中)1回も負けてない。ものすごく日本が盛り上がった」と刺激を受けつつ感謝した。

同じ東京五輪の金メダリストが複数おり、大会直後の21年8月にはプロ野球の巨人-中日戦に背番号「123」で招かれ、WBC1次ラウンドの会場・東京ドームで始球式を行った。

人気スポーツの存在感を知る一方で「盛り上がった半面、自分たちも負けていられない。次は柔道で日本を盛り上げられるように、阿部一二三と詩のきょうだいで、また世界選手権で優勝できれば」と、きょうだい同時2連覇を掲げた。

そこでは19、21年の世界王者、丸山城志郎(29=ミキハウス)との、通算11度目となる直接対決が見込まれている。

「注目される中で勝ってこそ強さが証明される。(4連勝中で)もう1回、しっかり勝ち切るだけ。小さい子から見てキラキラするような柔道をしたいし、誰が来ても負けない」

宿命のライバルに世界一で引導を渡す。その先に、まず目指すパリ内定が見えてくる。【木下淳】