男子は、駿台学園(東京)が2年連続3度目の優勝。福井県勢男女初の頂点を目指した福井工大福井をストレートで退け、インターハイとの2冠を達成した。最優秀選手賞は、亀岡聖成(せな、3年=駿台学園)が受賞した。

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わずか75分の完勝劇で優勝を決めると、選手たちは笑顔でコートになだれ込んだ。昨夏の全国高校総体を制しながら、秋の国体では準々決勝敗退。その悔しさを連覇で晴らした。亀岡主将(3年)は「最高のチームと最高の結果が出てうれしい」と胸を張った。

大黒柱こそ不在だが、チームワークで勝ち上がってきた。相手の強力なアタックに食らいつき、攻撃のリズムを生み出す。チームのアタック決定率は49・5%をマークし、相手を10%以上も上回った。観客からは「高校生のレベルじゃないぞ」との声ももれた。

その根源には、セッター三宅綜大(2年)が「日本一」と胸を張るほどのデータ活用術がある。4年前からトレーニングの専門コーチを招聘(しょうへい)し、試合では心拍数を計測するアームバンドを着用。緊張や疲労度などをリアルタイムでチェックするようにした。練習前後には垂直跳びの数値を測り、その差に基づいてリカバリーのメニューを決定する。「見ただけで誰が今どのような状態かが分かる」と三宅綜。科学的な知見がチーム力を引き出した。

強固な土台に加え、明るい雰囲気も好循環を生んだ。国体での敗退後は「俺たちは王者じゃないぞ」と繰り返し、挑戦者の立場であることを確認。一方で試合前夜のミーティングでは、仲間のプレーに対し「これは何をしているんだ?」と笑い合いながら指摘。決勝でも前向きさは健在。亀岡は「特に連覇は考えなかった」と平常心を貫いた。データとチーム力とを融合させ、“最高のチーム”で戴冠をつかんだ。【藤塚大輔】

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