フィギュアスケート男子の冬季五輪2連覇王者、プロ転向3年目の羽生結弦さんが30歳の誕生日を迎えた7日、さいたまスーパーアリーナで単独アイスショーの全国ツアー「Echoes of Life」をスタートした。新曲「産声~めぐり」や代名詞の「バラード第1番」「SEIMEI」など新曲15曲を舞い、満員の約1万4000人から生誕祭を祝福され「生まれてきて良かった」と喜んだ。来年2月まで3都市7公演を行う。

30歳初日も、進歩の道程に過ぎなかった。5つの短編を1曲に編んだ「ピアノコレクション」など、羽生さんは新曲も含めて開演から63分間、ノンストップ。40分が経過し疲れのたまる時間帯に、あえて4回転のトーループとサルコーを決めた。プロ1年目の22年「プロローグ」は90分の初演だったが、この日は休憩(整氷)を挟んだとはいえ、ほぼ倍の約170分を独りで完走。本編終了後も映画のようなメーキング映像で楽しませ、アンコールを「SEIMEI」で締めた。

「胃の裏と表が反転するくらい緊張した」記念日。早大人間科学部(通信教育課程)で履修した「生命倫理」から着想し、哲学的な仮想世界で主演した。21年の全日本選手権で、同じ会場で異次元の「曲の解釈」満点を出した男ならではの「音」もテーマに、氷上と思えない流麗なステップ、曲ではなくナレーションに合わせた舞いも披露した。

即完売のチケット争奪戦を制した約1万4000人から30歳も祝福された。中国で伝えられているところでは、同国だけでも少なくとも40万人以上ものファンが視聴したという異次元の有料生配信も含め、世界中で合唱のタイミングを待つ最愛のファンたちの機先を制し「誕生日です、ウェーイ」と喜びを分かち合うと、最後は「生まれてきて良かった!」と絶叫し、感謝を返した。

まだまだ右肩上がりだ。「30歳かぁ」と笑いながら「幼い頃に思った『おっさん』とは違った30代を迎えることができた。スケート年齢的には劣化していくイメージだったけど、野球やサッカーに置き換えれば、ようやく経験や感覚や技術の脂が乗ってくる時期。未来に希望を持って」30代の1歩を前に踏み込んだ。【木下淳】

◆配信◆ 30歳の誕生日を前に実現した羽生さんの単独インタビューを、会員限定サービス「日刊スポーツ・プレミアム」で7日と14日に前後編で。「30代も絶対うまくなれるはず」との決意やプロ転向3年目の進歩を本人が明かしています

【祝30歳】羽生結弦さん単独インタビュー「30代も絶対うまくなれるはず」誕生日/前編