3月5日に行われたB1仙台89ERSと秋田ノーザンハピネッツの今季初の東北ダービーは、仙台が60-91で大敗した。シーズン開幕前の昨年9月16日に行われた、東北6県のBリーグクラブが争う東北カップ決勝では仙台が79-71で勝利。そこから約半年、レギュラーシーズン40試合を消化した今、大きな差が開いた。

ディフェンスを信条とするチーム同士の戦い。東北カップのような接戦を期待していたが、試合は終始秋田のペースで進んだ。秋田・前田顕蔵ヘッドコーチ(HC=42)は「自分たちの色を出しながらゲームに入れて、ディフェンスからオフェンスにというシチュエーションが多かった。全員でゲームを作れて、40分間戦えたことが非常によかった」。第4クオーター(Q)にはターンオーバー(ミスによる攻守の入れ替え)が5つ。目立ったケアレスミスに反省は残るが、それでも連敗脱出は追い風だ。

対して仙台は、秋田の強度の高いディフェンスに対し、前半からミスを連発した。前半だけでターンオーバーは15個を数え、苦し紛れのシュートも多く、PG渡辺翔太(26)は「ディフェンスの強度も、オフェンスの遂行力も上回られた。1試合を通して後手に回ってしまった」。前半を終えて24-47。以降、この差が詰まることは無かった。

仙台は青木保憲(29)、多嶋朝飛(36)のPG2人、秋田は赤穂雷太(26)を欠いていた。特別指定選手も含め、チーム状況は東北カップとは大きく異なる。それを踏まえた上で「どこでこの差が生まれたのか、原因は何か」という問いに、仙台の落合嘉郎HC(42)は「僕の未熟さだと思います。この40試合をどう戦ってきて、どう成長させてこなきゃいけなかったのか。そういうビジョンをしっかりと共有できていなかった。それを遂行させてあげられなかったことが一番の問題だと思っています」と答えた。40試合を終えてなお、ビジョンの共有ができていないことに1年目の苦悩がうかがえた。

大差を追いかける第4Q終盤には簡単なミスや個人での突破が増えた。連携がバラバラにも見えたが「秋田さんのハードなディフェンスに対して、(仙台が)アグレッシブにプレーする中で1対1の時間が増えたり、ドライブからキックアウトのシーンが増えた。バラバラになっているというイメージはなくて。ファンダメンタル(基礎)の部分がまだまだ詰め切れていない」と指揮官。ビジョンの共有、基礎の徹底と課題は山積み。シーズン3分の2を終え、8勝32敗。残り20試合に向け、まずは仙台89ERSの全員が同じ方向を目指したい。【浜本神威】