【北京=松本航】ショートプログラム(SP)4位で愛称“ゆなすみ”の長岡柚奈(ゆな、20)森口澄士(すみただ、23)組(木下アカデミー)が、日本の五輪出場2枠目をたぐり寄せた。フリー3位の115・98点を記録し、合計178・66点の3位。今大会まで残った3枠の最後の椅子に滑り込んだ。代表選考レースは12月の全日本選手権(東京)まで続くが、世界王者である三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)とともに出場が有力な立場。五輪ペアで日本勢史上初となる複数組派遣が実現する。

 

握っていたペットボトルを放り投げ、森口が長岡に抱きついた。五輪出場枠をつかむのは上位3組。フリーは自己ベストに10・52点届かぬ出来に終わり、取材エリアのモニターで後続の演技を見守った。3位以内が確定すると「ずっとこの試合が怖かった。頭が真っ白になっているので、後でもっと喜べると思います」と感情のままに行動した。

次に2人そろって涙した。前日のSPでジャンプの転倒があった長岡は、食事が喉を通らなかった。フリーも3連続ジャンプでミスがありながら「私が失敗した分を、澄くんが得意なリフトでスピードを出して、遠くまで運んでくれる」と相棒に支えられた。3年前の春にペアへ転向。生まれ育った北海道から現在の拠点である京都にやってきた。重圧から解放され「うれしくて、安心した気持ちでいっぱいです」と笑った。

愛称“りくりゅう”の三浦、木原組が近年、世界トップクラスに成長。“ゆなすみ”も2番手で急成長してきた。大きなアクシデントがない限り、五輪代表も手堅い位置にいる。ペア挑戦6季目の森口は「りくりゅう先輩を追いかける後輩として、その姿勢を見せたい」とうなずいた。先輩から後輩へつながるバトン。日本ペア2組が、五輪に乗り込む時代がやってきた。