柔道男子73キロ級でパリ五輪(オリンピック)銅メダルの橋本壮市(34)が20日、現役引退会見を都内で行い、地元静岡で小学生の国際大会を計画していることを明かした。

緊張で言葉を詰まらせて沈黙し、カンペに頼る“やり直し会見”をした橋本。「これからは次の世代に私の経験を伝えていくことで、柔道界に恩返しをしていきたい」。今後は指導者として後進の育成や競技普及に携わる。

昨年のパリ五輪をはじめ、これまで応援してくれた静岡県民の存在にも目を向けた浜松市出身の柔道家。「子どもたちの柔道大会が少なくなっている中、何か恩返しをしたい」と、地元での大規模な大会開催に乗り出した。

「大会名も決まっているので、言っていいですか?」と勢いよく大会名を発表しようとしたが、またしても緊張で言葉を詰まらせてしまう…。それでも、「違う。もう1回行くわ」と切り替え、力強く手元のカンペを読み上げた。

大会名は「柔道ワールドチャレンジ富士山カップ2026」。ブラジル、イタリア、中国などから参加者を呼びかけて1000人規模を目指しているという。

国内では少子化だけではなく、「行き過ぎた勝利至上主義」が議論され、2022年には全日本柔道連盟主催の全国小学生学年別大会が廃止。その後もジュニアカテゴリーの大会は縮小や廃止の一途をたどっている。

こうした状況に「子どもたちが成長しないと日本の柔道界は成長していかない」と橋本。自身は6歳から道場「育誠館」に入門して競技に打ち込んできたが、「やっぱり、小学生の国際大会ってないんですよね。こういう大会があったら自分が小さい時にこういう大会があったらうれしいな」と大会の開催意義も語る。

現役時代も地元で柔道教室を開くなどしてきたベテラン。「世界に闘いに行くような子どもたちが1人で増えたら」-。これからも「日本のお家芸」の発展に情熱を注いでいく。【泉光太郎】