全国高校ラグビーは今日30日、東大阪市の花園ラグビー場で2回戦が行われる。Bシードの黒沢尻工(岩手)は静岡聖光学院との初戦を迎える。既に東北勢5校が姿を消し、6月の東北王者が最後のとりでとなる。29日、宿舎近くの公園で練習を行い、伊藤卓監督(44)は「相手は思ったよりリアクションスピードが速い」と警戒感を強め、モールでの対応に時間を割いた。

東北勢の勢いが止まっている。各都道府県からの出場が始まった64回大会から34年間、初戦で6県が消えたことはない。戦争の中断から再開された26回大会(8校参加)で秋田工が敗れたのが最後だ。CTB佐藤稜真主将(3年)は「王者としてのプライドがある。東北の力はこんなもんじゃないというところを見せたい」と不名誉な記録を阻止する決意を口にした。

昨年は2回戦で強豪京都成章に0-54と大敗した。体力差を痛感し、始業前のサーキットトレーニングに力を入れてきた。3年連続出場となるNO8根子叶多(3年)は「コンタクトに負けない自信がついた。東北の思いを背負って戦いたい」とチーム花園通算40勝目を目指す。【野上伸悟】