<大相撲秋場所>◇4日目◇17日◇東京・両国国技館

 西前頭3枚目の嘉風(32=尾車)が、まげをつかまれた反則によって、横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)に土をつけた。

 立ち合いで頭からぶちかますと、低く低く前に出た。これが、横綱を後手に回らせた。流れの中で日馬富士が引き、その際、左手でまげを引っ張られた。そのままはたかれたわけではないが、体勢が崩れたところを突かれて送り出された。この場面をどう判断するかだったが、物言いがついた末に、まげつかみによる横綱の反則負けとなった。

 「反則って、めちゃめちゃ気持ち悪い。全然うれしくない。まげを引っ張られて手を突いたという負けではないので…」。反則で勝っても金星にはならない。取組後にNHKのインタビュー室に呼ばれたが「殊勲じゃないし、なんで呼ばれるんだろうなと」。11年夏場所7日目の阿覧戦以来2度目の反則による白星に、複雑な表情だった。

 ただ「星が見えた」という頭からのぶちかましが、横綱を押し込んだのは事実。これで夏場所から横綱日馬富士に対して3連勝。大関時代も含めれば5連勝となった。「横綱に引かせる相撲を取らせたのは良かった」と自分を納得させた。

 「言葉にできない気持ち悪さ」と連呼していた嘉風だが、今場所から化粧まわしにつけている、高級マットレス「マニフレックス」を愛用していることもあり「寝たら忘れる。そのためのマニフレックスです」。オチをつけるように、最後はしっかり宣伝していた。