日本相撲協会の諮問機関である運営審議会(運審)の安西邦夫会長(77=東京ガス特別顧問)が7日、本場所の早期再開に「待った」をかけた。運審は今日8日、東京・両国国技館で臨時会合を開き、八百長問題で揺れる協会から経過報告を受ける。5月の夏場所からの再開を望む声も多いが、安西会長は、慎重な調査を優先すべきとの姿勢を示した。

 相撲を愛するからこそ、安西会長は慎重な姿勢を崩さなかった。夏場所からの再開を決断するには、時期尚早との見方だ。

 安西会長

 今のままだと、いかにも中途半端なので(夏場所を)実行しても、どうなんでしょうか。無理して急いでも、またどうなるか分からない。世間が許してくれない。姿勢を正し、先の方針を出さないといけないでしょう。

 だが、週刊誌などで報じられているような、過去の案件については不問とし、あくまで、今回生じた問題の解決を望んだ。

 安西会長

 八百長はいけない。だが、お互いが口を割らなければ(証拠として)成立しない。過去のことをほじくっていると、時間がかかる。前向きに検討すべきではないでしょうか。

 運審は、財界人や学識経験者で構成される協会の諮問機関。ルールブックに相当する寄付行為に「この法人の運営に関する重要事項について、理事長は運営審議会の意見をきかなければならない」と明記されている。横綱について答申する横綱審議委員会(横審)よりも、八百長問題については協会は重く受け止める必要がある。

 放駒理事長(元大関魁傑)はこの日、運審や横審からの意見について「参考にするというか、いろんな意見があるでしょう。聞いてみなきゃ分からない。聞いてからですな」とした。調査委からの調査結果が出なければ、夏場所中止の決断を迫られる時期が近づくため「(結果が)出なければ、そうなるかも分からんね」とした。

 運審を始め、9日に再発防止委員会が1回目の会合を開く。10日に横審、11日に特別調査委員会が行われる。協会は調査結果を待ちつつ、各種委員会からの意見を聞く日々が続く。