新潟商が北越に逆転サヨナラ勝ちし、県大会進出を決めた。0-1で迎えた9回裏1死二、三塁のシーンで、エースの藤崎千広(2年)が左翼越えの逆転サヨナラ2点二塁打を放った。横手投げの投手として9回を投げて10安打1失点。粘投を、自分のバットで勝利に結びつけた。

 チャンスの場面で打席に入る直前、藤崎は天を仰いで1回深呼吸した。「自分が取られた点は、自分で取り返す。自分の中で盛り上がっていた」という闘志を、大きな呼吸ひとつで打撃の集中力に変えた。0-1で迎えた9回裏1死二、三塁。内角低めの直球を強振すると、打球は左翼手の頭上を越えた。逆転サヨナラの2点二塁打。154球の粘投を、価値ある勝利に結実させた。

 「チャンスを作ってくれた仲間たちに感謝です」と、投打の主役を務めた藤崎は言う。「試合前から、俺たちが点を取ってやるから、と言ってくれていた」と話したが、点を取ったのは自分のバット。しかし、試合前の野手の激励は心強かった。横手からの直球の最速は117キロだが、スライダーを軸に北越打線に向かっていった。10安打されながらも本塁は1度しか踏ませなかった。

 今夏のエース佐藤睦(3年)からもらった「投手が折れると、試合は崩れる」というアドバイス通りにマウンドで、どんな状況にも動揺は見せなかった。北越とは4月に練習ゲームを組み、藤崎は7回7失点。4回に先制を許したときは「ああ、やっぱり取られちゃった」と一瞬思ったが、先輩の指示を堅守。落胆せずに、マウンドから北越打線を攻め続けた。「自分たちの目標はセンバツだから、北信越出場を狙っている」。藤崎が話した標的に県大会進出で1歩近づいた。【涌井幹雄】