惜敗も1発が希望の光だ。広島菊池涼介内野手(26)が巨人5回戦の6回、一時同点とするソロを放った。1ボールから高めの直球をバックスクリーン左に運んだ。2号ソロで力投の先発福井の負けを消した。エクトル・ルナ内野手(36)が出場選手登録を抹消され、打線には穴があいた。8回にジャクソンが打たれて敗れたが、菊池が奮い立つ。
長いバットがからみつくような独特のフォロースロー。菊池の同点ソロは6回に飛び出した。1点を追う6回2死。巨人今村の高め直球をとらえた。打球は菊池のイメージとは反対の放物線。そのままグングン伸び、バックスクリーン左に吸い込まれた。菊池自身も驚いたような表情を浮かべてハイタッチが待つベンチへと戻った。
「いつものように何も考えずに。うまく打てたのかなと思います。意外に飛びましたね。好調? 全然そんなことはないです」
今季初めてチームにピンチが訪れた。前日16日の同カードで右太もも裏を負傷した4番ルナが出場選手登録を抹消された。開幕から17試合、不動だった1番から6番の布陣が初めて変わった。緒方監督は5番エルドレッド以下の打順を1つずつ上げ、8番に、1軍昇格した堂林を起用。しかし6回までは菊池の1安打に封じられていた。力投の福井を救ったのが菊池だった。
打率3割7分8厘で堂々のセ・リーグ首位打者。15得点もリーグトップだ。昨季苦しんでいたケガが癒え、菊池はらしさを取り戻した。何より同学年の田中、菊池、丸で上位打線とセンターラインを形成し、雰囲気作りも欠かさない。接戦を落として今季2度目の連敗となったが「雰囲気は全然悪くない。やられたらやり返す。それしかない」と話す姿は頼もしかった。
菊池が奮闘したとはいえルナ不在でぽっかり空いた穴は大きかった。2軍には打率3割4分8厘、3本塁打、6打点のプライディも控える。緒方監督は「チャンスをあげたい気持ちはあるが、(外野手で)チームのバランスもある。機能しないと意味がない。ただ、(死球を受けた)新井の状態もあるし流動的なところもある」と含みを持たせた。危機を救うのはやはり、菊池らチームの主軸ということだろう。【池本泰尚】



