ソフトバンク王貞治球団会長(69)がエース復活への「3カ年計画」を示した。春季キャンプ先の宮崎で3日、2日に千葉県内の病院で右肩腱板(けんばん)修復手術を受けた斉藤和巳投手(32)について言及。今季中の復活にこだわらず、2年間にわたるリハビリ期間も見据えた、長期全面支援を約束した。3度目の手術を受けた斉藤は全治期間が読めない窮地に追い込まれていたが、王会長は「彼の勇姿を見たい」と、粘り強く復活を待つ構えだ。

 斉藤の険しい復帰ロードに、王会長が希望の2文字を準備した。斉藤は2日、千葉県内の病院で内視鏡による「右肩腱板修復手術」を受けた。一夜明けたこの日、選手生命を懸けた手術に踏み切った斉藤について、王会長が全面支援を明言だ。

 王会長

 彼にとって一番いいところで手術をした。焦らせるつもりはない。少なくとも今年いっぱいは戦力にならないだろう。2年くらいかかっても、3年目にできれば。実際に前回手術してから、ここまで2年かかっているのだから。時間はかかる。

 斉藤は08年1月に右肩関節唇修復手術を受け、ここまで2シーズン実戦登板から遠ざかっている。今回の入院は10日間程度で、退院後も同病院でリハビリを進める予定。だが、リハビリや全治期間について、王会長は「先が見えていない状況だと思う」。チーム編成を束ねる王会長は「復肩3カ年計画」を例えに出したように、長期スパンで元エースの復活を待つ必要性があると思っている。

 斉藤の実績や懸命なリハビリ模様が、チーム強化の大きな財産になる。「彼の持っているもの、今までの貢献度、チームメートに与える影響は大きい」と王会長。実際に復活を果たせば、右肩手術からのリハビリプログラムの参考ケースになるに違いない。

 背番号66の復活ロードの厳しさが変わることはないが、王会長の重みある言葉が幾分かの安心感を与えるのは間違いない。斉藤は今回の手術前ですら、投球練習が当日の右肩の状況で判断される、辛く過酷な日々を送ってきた。王会長の強力サポートによって、焦る気持ちにもブレーキがかかるはずだ。

 王会長は言った。「彼がマウンドに立つ勇姿が見たい」。それは、ファンの声を代弁しているかのようでもあった。【松井周治】

 [2010年2月4日11時35分

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