<楽天5-7横浜>◇18日◇Kスタ宮城

 最後の仕上げは豪快な一発だった。9回、横浜村田修一内野手(29)は外角高めのボール気味の速球にガツンとバットを合わせた。村田らしい高い放物線は、左中間へのだめ押し本塁打となった。「久しぶりにしっかりしたスイングができた。前にいつ本塁打を打ったか忘れていました」と8試合ぶり7号にも控えめ。連敗を止めた喜びは、静かにかみしめた。

 6連敗中のチームで不振だった4番は責任を感じていた。「自分がもう少し打てていれば」と、髪の毛を短く切っただけでなく、2日連続の特打も決行した。この日はユニホームのすそをひざ下まで上げるオールドスタイルで試合に臨んだ。何かを変えたいという気持ちを前面に出して戦った。「連敗していたけど、今日みたいにはね返す力があるし、期待してほしい。勝つために全力でバットを振りたい」と言葉に決意を込めた。

 7回には初球をたたいて勝ち越し打を放った。やっぱり村田が打つと横浜打線は分厚い。それは自身が一番分かっているだけに「今までは良くなったら落ちたりの繰り返し。だから明日が大事。続けるのがね」と、完全復活に向けて先を見据えた。連敗脱出に向けて必死の采配を振った尾花監督も「疲れた試合だったけど、5点差を逆転できたのは大きかった。最後の本塁打もね」とホッと一息ついた。ケガ人続出の横浜が、連敗のトンネルを抜けた先に「主砲復活」という明るい兆しを見つけた。【竹内智信】

 [2010年5月19日12時16分

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