日本一より、連覇だ-。中日落合博満監督(56)が全選手を前にして来季の目標を設定した。25日、名古屋市内のホテルで行われた球団納会の冒頭、マイクの前に立つと全員に言い聞かせるように話した。「来年は皆さんから『日本一』と言われるでしょう。でも、ドラゴンズがただ1つ、成し遂げていないこと。それは連覇。来年もペナントレース優勝。ここ1本に絞りたい。クライマックス、日本シリーズは頭から捨ててください」。

 事実上、新シーズンの幕開け宣言だった。昨年の球団納会で落合監督はリーグ優勝奪回を宣言し、今季、それを実現した。日本シリーズでロッテに敗れ、周囲は来季の「日本一」を望む声が多いが、あえて足元を見つめ直すような目標設定をした。

 球団74年の歴史で優勝は8度あるが、連覇はない。落合監督も04年の就任から7年間で3度優勝したが、過去2度はいずれも連覇を逃してきた。だからこそCS、日本シリーズを度外視して集中する必要があるのだ。「また来年のキャンプで意識確認をさせてもらいます」。来年2月のキャンプ初日にあらためて選手、スタッフに意思統一を徹底する方針。連覇に対するこだわりは強かった。「この7年間、みんなには5重丸をつけてあげたい。それぐらい素晴らしいことをやった。また、この素晴らしいことの続きをやろうじゃありませんか!」と最後を締めくくった。

 落合竜8年目、目指すものは1つに定まり、再び全員が走りだす。【鈴木忠平】

 [2010年11月26日11時37分

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