軽四ヨシカワ、1軍いける?

 中日のドラフト2位吉川大幾内野手(18=PL学園)が驚異のスタミナを披露した。新人合同自主トレ2日目となった12日、初日に引き続いて持久走でトップを独走し、新人NO・1の体力を見せつけた。12球団で最も厳しいと言われるオレ竜キャンプでは高卒野手が1軍スタートした例はないが、ひょっとしたら…と思わせる動きだった。

 この日もダントツだった。ドラフト1位大野らを大きく引き離してゴール。その後のダッシュでも別次元の体のきれを見せていた。見守っていた三木トレーニングコーチが思わずうなり、小回りのきくコンパクトカーに例えた。

 「吉川は燃費がいいよね。軽四輪という感じ。現時点で新人選手では、だれも1軍キャンプについていけるとは思わないけど、ひょっとしたらおもしろいかもなって思わせるよ」。

 6勤1休のハード日程で1日10時間にも及ぶ練習を行うオレ竜キャンプ。落合監督が就任した04年以来、高卒野手が1軍スタートしたことはない。体力不足のために故障の恐れがあるからだ。当然、吉川も体づくりが最初の課題だが、あまりにも突出したスタミナを見せたため周囲から期待の声が上がった。

 「疲れは全然ないです。(練習が)しんどいのはいつものことですから」。

 まだまだガソリンは残っている、とばかりに強化運動、ゴロ捕球、筋力トレと続いたメニューを顔色ひとつ変えずに消化した。1、2軍振り分けが決定されるのはまだ先だが、「立浪2世」のピットイン先に注目が集まりそうだ。【鈴木忠平】

 [2011年1月13日12時34分

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