<日本ハム1-0広島>◇29日◇札幌ドーム

 次こそ勝つ!

 マエケンが「沢村賞モード」になってきた。広島前田健太投手(23)が日本ハム戦(札幌ドーム)に先発し、7回1失点の好投を見せつけた。打線の援護がなく、4月26日阪神戦(マツダスタジアム)以来、1カ月以上、白星から見放されたままだが、昨季のような好調モードに転じた。今季初の4連敗で勝率5割に戻ったが、エースを中心に巻き返しを図る。

 勝敗すべての責任を背負うのがエースの宿命だ。攻撃陣が幾度となく好機をつぶしても、前田健は悔しさの矛先を自らに向けた。7回1失点の好投。0-1の惜敗だが、日本ハム先発武田勝との投手戦に敗れて反省の弁を並べた。

 前田健

 我慢して耐えるしかない。僕がピンチで点を取られて、相手はピンチで抑えていました。僕が粘りきれなかった…。(勝てないのは)そういうところじゃないかと思います。

 序盤は最高級の投球を見せた。140キロ台後半の速球をズバズバと決め、切れ味鋭いスライダーとのコンビネーションが光る。3回まで9人で片づける快投。4回以降は走者を出しても丁寧なマウンドさばきで日本ハムの攻撃を退けていた。唯一の悔いは5回だ。1死一、三塁。今浪を追い込み、チェンジアップを投じたが、沈みきらず中前への先制打を許した。

 前田健

 (チェンジアップを)低めに投げれば空振りも取れるし、ゴロにもなる。少し高かったですね。うまく打たれました。

 開幕から痛打を繰り返したが、前回登板の22日ロッテ戦(マツダスタジアム)では7回1失点と好投し、2戦連続の力投で沢村賞に輝いた昨季のような安定感が出てきた。エースも「続いたのはいままでなかった。これから先、続けていきたい」と話した。不調から脱するため、工夫を重ねる。ゆったりとした投球フォームへの微修正だけではない。開幕前の実戦で積極的に用いていた新球フォークも現在は使っていない。「フォームのバランスも悪くなるから」と話す。少しずつ変化しつつ、ベストの状態を探る。

 これで登板5試合連続で白星がつかず、この日は3敗目。無援での惜敗に指揮官は打線の奮起を促した。

 野村監督

 マエケンは2回いい投球をして勝ちがつかない。負けがついて、かわいそう。次のマエケンの登板で、野手がどういう気持ちで生かしてくれるか。

 今季初の4連敗で勝率5割に戻ったが、エースの復調は心強い限り。前田健は言う。「これまで良くなかったので、ここから挽回します。我慢して続けていけばいつか勝てる」。逆襲を誓う言葉には熱がこもっていた。【酒井俊作】