<西武12-2ソフトバンク>◇4日◇西武ドーム

 一日一善ならぬ、1日1発。西武中村剛也内野手(28)が9月に入って日課のように打っている。4戦連発は自己タイで2年ぶり。当時09年にマークしたシーズン最多48発を上回る、49発ペースと量産態勢に入ったが、その話題には引っかかるまいとブレーキをかける。「(今のペースが)ずっと続くわけないんで、勝手に計算しといてください」と、報道陣の問いかけを笑顔でかわした。

 今季2本しかなかった右方向への同点ソロで、逆転の口火を切った。プルヒッターのイメージが強いが、意識は「いつもと変わらない。さからわず、外角の直球を右へ打てた。4番はこういう仕事を求められる」。4回に一挙6点の爆発を呼び、2ケタ得点へと導いた。渡辺監督は「技術で打ったホームラン。あれがきっかけでチームがよし!という気持ちになった」と主砲の働きをたたえた。

 少年時代、捕手のポジションを経験している。父重一さん(59)からは「試合で負けるのは捕手のせいだ」と厳しく指導され、リードの大切さを学んだ。その経験が、配球の読みへと生きている。変化球をカットし、カウント2ボール2ストライク。右サイドの高橋秀がもっとも角度のつく外角一辺倒の攻めを読み、狙いを絞った。追い込まれてミートを心がけた打球が、スタンドまで届いた理想的な1発だった。

 ロッテのチーム本塁打数を1人で打っている。警戒レベルは急上昇し、まともには勝負してもらえない。8月は四球が増えたことによるミスショットも多かったが「狙いをつけて、どんどん初球から振っていくようにしている」という積極性で、再び量産ペースに入った。飛ばない統一球に大多数が苦戦しているなか、キング争いで悠々と1人旅。おかわりくんの知らんぷりをよそに、周囲の本数への興味と期待は高まるばかりだ。【柴田猛夫】