【グアム(米国)3日=為田聡史】巨人阿部慎之助捕手(32)が今季から外野手に転向する大田泰示選手(21)を育て上げる。「チーム阿部」のメンバーを引き連れ、恒例のグアム自主トレへ出発した阿部は、初参加となる大田の育成プランを早速披露した。「まずは雑用からだね。去年、藤村がやったエビの皮むきから」と、食事に使うエビの下ごしらえを意味深に命じた。

 空港内で188センチ、91キロの大田を遠くに見つめながら「あいつは線が細い。ケツが小さいんだよね。もっとケツをでかくしないと」。一般的に、下半身を鍛え抜くプロ野球選手の尻は大きいとされる。新鮮なエビ同様に?

 プリプリした「お尻づくり」が、まずは飛躍への近道だと説いた。例年、ウオーキング程度の軽いメニューから開始するが、初日から70メートル走×3本=1セットを6回など、超ハードメニューで鍛え上げることを示唆。「今回は今までで一番、走ると思うよ」と、徹底した走りこみで下半身強化に重点を置く。

 昨年の長野、藤村を筆頭に「チーム阿部」入門者は、その年のシーズンで目覚ましい活躍を見せている。阿部は「連れていったメンバーには頑張って欲しいし(泰示にも)良き伝統を受け継いでほしい」と、活躍を誰よりも願っている。「オレは外野手じゃないから技術的なことは分からないけど、ノックはいくらでも打つよ。まあ、エビの皮むきができないくらい練習させてあげるよ」とニヤリ。大田も「一緒にできることに感謝しながら、死ぬ気でついていくだけです」と、目を輝かせた。4年目となる「未完の大器」を阿部がグアムで一皮むく。