<巨人0-0阪神>◇30日◇東京ドーム

 連勝中なのにストレス充満だ。巨人が阪神と延長11回、スコアレスで引き分けた。残塁9個のうち1、7、9回の勝負どころで実に8個。7回1死満塁に加え、9回無死満塁のサヨナラ機も得点できなかった。原辰徳監督(53)は「ここまでジャイアンツが乗り切れない原因」と、ことごとくボール球に手を出した主力の打撃内容に苦言。打線本格化の兆しはピタリと止まってしまった。

 自分の右太ももを思い切り張って、怒りを懐に収めた原監督だった。7回1死満塁で小笠原が捕飛。ボール球に手を出し凡退した打席の姿を「ここまでジャイアンツが乗り切れないできている原因」として挙げた。主力打者が役割を果たせない。ストレスの源がそこにあった。

 小笠原が「毎度同じになってしまうけど、ピッチャーに申し訳ないとしか言えない」とわびたこの打席。無死一塁から村田が6年ぶりに送りバントを決めるという、原監督のシビアなタクトで巡ってきた好機だった。阪神先発メッセンジャーに力勝負を挑まれた。2球で追い込まれ、最後はインハイ、つり球だった。9回1死満塁で再び打席が来た。原監督はこの日2度目の厳しいタクトを振り、加治前を代打に送った。「7回の内容を見て、代打しかない、と。本人も必死になってやっているが」と岡崎ヘッドは説明した。

 ボール球に手を出したのは小笠原だけではない。1回1死二、三塁で阿部、村田が連続空振り三振。先頭で5度打席に立った長野もそう。届かない外角を追いかけすべて凡退した。ただ、小笠原の打撃内容は、少し意味合いが違う。この日に限らず、直球に無類の強さを誇るはずの大打者が開幕から力勝負を挑まれ続けている。「もどかしさがある。ベンチの気持ちは重々伝わっている。一瞬でも早く状態を上げるようにしなくては」と小笠原。打率2割に届かずにもがく姿を誰も見たくはない。

 9回無死満塁というサヨナラ機も逃した。原監督はおしぼりを使わず、のども潤さないまま会見を通した。「監督、コーチ、選手。みんながもう少し勝負に対して厳しくいかないと。そう思わせてくれたゲームだった」と結んだ厳しい言葉の中に、自分自身も加えた。試合中にのぞかせた厳しいジャッジメントを、選手の見極めという領域でも行う時期が近づいている。【宮下敬至】