秋元康プロデューサーもびっくり?

 ソフトバンク王貞治球団会長(72)が21日、ユニークな球界“総選挙”を提案した。オールスターファン投票の方式に、AKB48方式の導入プランを披露。今年のファン投票はすでに締め切られ、25日の発表を待つだけだが、「世界の王」の口から、今をときめくAKB48が出てくるのは意外だった!?

 最終中間発表が行われた球宴のファン投票について、突然、ひらめいた。「AKB総選挙じゃないけれど、球場でチケットを買った人が投票できる仕組みなんてつくれないかな」。今や社会現象になったAKB48の総選挙方式を想定。CD1枚につき投票権が1枚付くシステムを、そのまま観戦券に置き換えようという発想だ。報道陣と雑談の中で出た私案ながら、消費税増税、与野党の攻防から、定食屋のおかずまで幅広い関心を持つ“王プロデューサー”ならではのアイデアの広がりだった。

 もっとも「すごいな。ファンが多いんだよね」と、今年のファン投票最終中間発表で9部門でトップだった日本ハム勢へのうらやましさもあったのかもしれない。前半戦からぶっちぎりで日本一となった昨年は、ソフトバンク勢が5部門でトップ。チームや選手の好調度が色濃く反映されるのは理解している。

 現在は、球場などに設置された投票用紙やインターネットなどから“組織票”をつくることも可能。王会長は「川崎が試合に出ていないのに選ばれちゃったりしてね」と、03年に中日川崎が1軍未登板ながら、アンチファンによる心ない嫌がらせの投票で、セの先発部門1位になった過去の悲劇も引き合いにした。球場で試合を見た観客が有権者となれば1票の価値も高まりそう。球界のご意見番として「頑張ってやって、選ばれていい人が選ばれないってことがないといいね」と願っていた。【押谷謙爾】