<中日2-1DeNA>◇25日◇ナゴヤドーム

 今季2度目のサヨナラ負けにも、DeNA中畑清監督(59)は努めて冷静に振り返った。「1-0で逃げ切りたかったという気持ちが8回の連打で…。中日も簡単には勝たせてくれなかった。防ぎきれなかったね。悔しさはあるけど…。(流れが)こっちに向いてくれなかった」。淡々と話しながら、普段はあまりない言葉の間の沈黙に、勝ちきれなかった悔しさがにじんでいた。

 連勝への強い執念を持って臨んだ試合だった。前夜は投打がかみ合っての快勝。試合後の会見は「明日勝たないと意味がない」と締めくくった。だから勝つために、1点リードの6回から手を打った。筒香に代えて右翼に荒波を投入。中盤から守備固めに入った。この回からの継投もはまり、7回までは思惑通りの展開だった。

 しかし8回2死から長田が3連打で同点に追いつかれると、11回1死満塁から、大田がサヨナラ打を浴びた。2人は前半戦終盤から抑えのソーサにつなぐセットアッパーを託す存在。信頼を持って送り出したからこそ、中畑監督は「長田にはあそこを任すつもりでいるから。大田は久々の登板でリズムを作れなかった。(守備の乱れもあり)不運もあったかな」と責めることはなかった。

 打線も1回の先制以降はゼロ行進。「遠かったね、ホームが」と好機を生かせず、勝てば6月5日以来の3位浮上を逃した。それでも「今はその(順位の)意識は全然ありません!

 1試合1試合の結果を大事にするから!」。負けを引きずらず、一戦必勝-。その決意がこの日一番の大声に込められていた。【佐竹実】