佑ちゃんに負けない!

 中日のドラフト1位大野雄大投手(22=佛教大)が同い年で日本ハム1位の斎藤に「宣戦布告」した。13日、名古屋市内で行われた入団発表。大野は立ち上がると堂々と言い放った。

 「同世代にはいい投手がたくさんいます。日本ハムに1位指名された斎藤佑樹くんを始め、広島の前田くん、楽天の田中くん。その投手たちに負けないくらい、いい投手になりたい」

 挑戦状の送り先は同じハンカチ世代の強者たち。中でも斉藤はプロ同期で絶対に負けられない存在だ。実は大野には斎藤に“借り”がある。

 今年6月の全日本大学選抜の合宿中、風呂場で一緒になったときだった。斎藤が「これ使う?」と声をかけてきた。体を洗うためのスポンジを勧めてくれたのだが、よく聞き取れなかった大野は、自分のものか聞かれていると勘違いして「いや、違う」と冷たく返してしまった。その後、他の選手にもスポンジを勧める斎藤の姿を見て勘違いに気づいたが、もう後の祭り。申し訳ない気持ちを今も引きずっている。

 「怒っているだろうな。申し訳ないことをしました」。プロの舞台で投げ勝ち、当時のお礼が言えれば、それで借りが返せる。

 背番号は「22」に決定。「22番と言えば藤川さん(阪神)ですね。僕もストレートで押していく強気の投球が武器です」。黄金世代の頂点へ。輝かしい未来への第1歩を踏み出した。【鈴木忠平】